2020年12月16日水曜日

人間椅子の初海外公演ヨーロッパツアーに行ってきた④ 2020/02/21 (最終日ロンドン公演~帰国)

2日目はこちら→ボーフム公演



ロンドン行く前の空港で余裕持ちたかったから朝早めに起床。朝食バイキングの時間はまだだったが、受付のお兄さんが気を利かしてくれて時間前に食べさせてくれてありがたい。


6:55発の電車に乗って空港へ


旅行客多め



デュッセルドルフ空港


朝早めだからか人は少ない



まだ眠いなか「ロンドン公演vipチケットだけど俺なんかには勿体ねえよな」「やっぱデュッセルドルフと言えばピーター・キュルテン!」とか考えながら荷物預り所で並んでぼーとしてたら、列の前のほうで見覚えある人がこちらに手を振ってる?、、、いやあれアニキ(ノブさん)じゃんw!なんで朝からあんな元気なんだwwってかなんでこっちに気付いたのかな?あっ確かに自分いま人間椅子のロングTシャツ着てるけど、とか考えてまごまごしてしまった。「こっ、こんちはす」って薄い反応しているとアニキも「あれ、、、」みたいになってた。こういうとこで明るくなんもできない自分はほんとダメ。「アニキ!」とか言いながら手を振り返すぐらい出来ただろ!(怒)
今書きながら思い返すと後ろにいた知り合いに手を振ってただけかとも思うけど、強引に列から外れて「一緒に写真撮っても良いですか?!」とかファンらしいことでもすれば良かったかも。けどあっちも朝早くのプライベートだから逆になにもしなくて良かった、と強引に納得。


ドイツだとこればっか飲んでた

↑キュウリ味?のVolvicも上手くて飲んでた

初めて見たPro Vision2、日本にこんなんあったっけ?


検疫は日本よりだいぶ遅く感じるけど、行きのヒースロー空港(イギリス)のもたもたやる気ない感じではなくみんなかなりテキパキしてる。これただ日本が流れ作業のザルなんじゃないかとも思ったりしたけど、ヨーロッパほんとにテロ多いから大変よね。やっぱドイツやな~とか思いながら靴を脱いで↑のPro Vision2に入って体を一周したらビーと警告音が、、、どうやら服の下に巻いてた腰のポーチが引っ掛かったぽい。もしものときの為の金が入ってる財布を入れていたのを忘れていたのだが、あれヒースローだと通れたよな、、、とか思ってると中から出されてなんかズボン脱げとか言われる。おいおい別室じゃなくて普通に通路のとこでやんのかよ?とか思う間もなく検疫のでっかいドイツ人が怖いからすぐにズボン下ろす。ポーチお前いつの間にかパンツの中入り込んどるやないけ、、、取り出すときがめちゃくちゃ恥ずかしかった。もし次来るときは気を付けよ、、、


ライヴ会場でも空港でもゴム売ってる


便はやはり人間椅子一行と一緒だった。発着口で待ちながら見ていると、アニキがリーダーみたいに取りまとめていて、そこへ日本の職人風の和嶋さん、そして一行の護衛役のガタイ良すぎる鈴木さん、のように見えてきた。やっぱこのトリオ、キャラ立ちすぎ。

ドイツの最後はいろいろ恥ずかしかったけど、次来れるならアウシュビッツとかいろいろ行ってみたい。あとほんとにちゃんとしたドイツ料理を!
10:20の飛行機に乗って1時間半かけてヒースロー空港へ。




昼頃にヒースロー空港に着いたが迷う。最初に着いたところから電車で移動してバス乗り場まで行かなければならないが、そこまでの道のりがわからず。自分は少し人が多いとパニクるな。なんとかバスには乗れたが、少し焦る。そして、なんかドイツよりかなり寒い~。


父ちゃんの指と遊びなよ小坊主



空港から離れるに連れロンドン感?が増す



ドイツでも基本天気悪かったが、ロンドンはさらにどよーんとした天気。失敗だったのが、泊まったホテルがすこし駅とかから遠かったこと。ベルリンとロンドンは旅行代理店に安めと伝えて適当に決めてしまったが、ボーフムと同じく自分で決めたほうが良かったかも。

そしてバスの停車場からスーツケースをガタガタいわせながら歩いて20分かけてホテルに着くと、前の客がまだチェックアウトしてなかったようでまだ部屋が空いてない!こんにゃろー。まあすこし1階の受付で待ってて開いたから良かった。
そんなこんなで2,3時間経ち夕方に。VIPチケットは18時開場だしCamdenまで電車だから早めに行こう。イギリスに来てまだ何も喰ってないから腹減った。
地上を走るOvergroundでWest Brompton駅から乗ってCamden Road駅まで。







ワンちゃん連れて良いのね



カムデンについてそこから大通りのまっすぐの道をすこし歩いて会場へ。天気の悪さと3日目の疲れで、自分のテンションが保つか少しだけ心配に。






そしてUnderworld Camdenへ!もうけっこう人いるけど、パッと見日本人多め。








大通りに面するところにあるからかかなり人目に付く。貼ってあるポスター↓を見ると、ナパデやカーカスの文字が。今回のツアーが発表されたなかでまず始めに目についたのがUndeworld Camdenだったのは、NOMEANSNOやその他のバンドのbootlegやyoutubeに上がってるライヴ動画で名前は知っていたから。今から自分はその場所で大好きな人間椅子を観れるのかと思うと何故か俄然テンションが上がってきた! 


ケルベロスかわいい



会場前に並んでいたら、和嶋さんと昔バンドを組んでいた同郷の方?が前に並んでいて面白い話を聞くことができた(盗み聞き)。何でも、有名な和嶋さんのアブダクション体験の後、明らかにサウンドが変わった、みたいな話を連れの方?としていた。凄い興味深くてオカルティックな話!何はともあれ、知り合いが海外まで駆け付けてくれるのは、お互いに本当に嬉しいことだろうな。




さっそく6時にVipチケットは入場!最終日のせいなのか日本人の割合は多いが、しっかり地元のダイハードなファンも来ており安心。

観客といえば、地元のドゥーム好きなファンやバンドマンにはどのくらい今回のライヴの認知度があるのだろう。過去来日経験もあり、自らドゥームフェスを主催したこともあるKurokumaやConanなどのイギリスの最近の若手?ドゥームバンドのメンバーなんかが来てないかななんて考えてしまった。あと勿論リードリアンも。もう少し来るの早ければCathedralとの対バンツアーなんかもあったんかなあ、、、







気になったのがこの↑↓柱(怒)。ちょうどステージの真ん中辺りを遮る空気の読めなさ(だいたいドラムの配置位置と重なる?)。地下の会場だから仕方ないとはいえ、例の渋谷クアトロの邪魔な柱以上にヘイトを集めてそう。


19:30スタート!


人間椅子@ Underworld Camden,  2020.02.21

宇宙からの色
りんごの泪
賽の河原 
品川心中
無情のスキャット
命売ります
死神の饗宴
芳一受難
黒猫
地獄小僧
地獄
雪女
針の山
なまはげ




今回も少しセトリを変えてきてくれて、特に黒猫はナイスチョイスだった。またこの会場で感じたのが重低音の抜けの良さ。ドイツ2公演の会場より天井も低く柱もあり、全体の音のバランスに関してはよくあるライブハウスって感じだったが、ライヴ動画見ればわかるが鈴木さんのベースはブリンブリン唸りまくっていた。まあ鈴木さん側にいてベースの音が強調されて聞こえてたということもあるだろうけど、こんだけ気持ちいいベースの音を人間椅子のライヴで聞いたのは初めてだった。
そして3日目ということで三人ともかなり疲労は見えていたが、それが逆に鬼気迫る演奏につながっていたと思う。




緑や紫の照明が炊かれながら演奏された「賽の河原」は、ロンドンからいきなり硫黄漂う恐山にワープしてきたかのような錯覚を覚えた。



自分の後ろ、人パンパン!









確か命売りますで小さいモッシュ起こってた?






ベースの音、そして鈴木さんのパフォーマンスが最高潮に達したのが芳一受難だった。アルバム音源で聞けるサビ時のゴリゴリした音はライヴだと埋もれていることが多くもったいないなあと感じていた。しかし今回のその強調されたベース音での演奏で、終始こんなえぐ気持ちいい音を出していたのだと再確認できた。そして最後の断末魔、、、ブラックメタルを彷彿させる禍々しさに改めて惚れ直した。






ラストのなまはげを演る頃には三人とも死にそうな感じで演奏しており、こちらも少し涙ぐんで感極まりながら心の中でエールを送っていた。




ライヴ終了後にはVipチケットのグッズ手渡しとmeet and greetがあった。あの疲れかたを見た後だと、ミーグリってほんとに地獄な気がする。




ミーグリなんて解散ツアーのときのNasumとMelvinsが新木場コーストでやったときの経験ぐらいしかなく、凄い緊張した。うまく喋れず「学生の時から応援してましたゴニョゴニョ」ぐらいのことしか言えなかったが、あっちもこちらも疲れてたからあっさりで良かったんだと無理やり納得。



こういうグッズをもらったのも久し振りかも


やっぱりロンドンでも人間椅子は凄かった!


ライヴ会場をあとにするとどっと疲れが出て来て、「椅子最高~」なんてふらふら揺られながら電車に乗っているといつの間にか乗り過ごしていたみたい。






ホテルに帰ってきてからは近くの店はほとんど閉まっていたため、少し歩いたらやってたピザ屋で色紙サイズ2.5枚分くらいのピザをやけ食いして寝た。疲れた~。



休日の混み具合


3公演のあとは1日余裕を持ってもう1泊したが、なにも予定を決めずにロンドン観光をしたが甘かった、、、ちょうど休日と重なっていたため、適当に電車に乗って出掛けてもロンドン水族館は3時間待ちだし人混みは凄いし、、、コロナ前の国外の喧騒を体験できたと言えば少しは貴重なのかもしれないが、中途半端に1日いるよりは早めに日本に帰っておけば良かったと今さら反省している。
















帰り際、ホテルのチップに人間失格の旧盤CDを仕込む。






 

帰国の際の空港での待ち時間にも人間椅子一行と遭遇し、まさか自分は無意識にストーカー行為をしてるのではと少し自己嫌悪する。自意識過剰なのは直んないな。






*3公演を観ての感想*


まずは、コロナ禍が迫るなかでヨーロッパツアーを決行して成功させた人間椅子の3人ならびにサポートの方々に感謝したいです。ぎりぎりの日程のタイミングなど運も絡んだかもしれないとはいえ、バンドやファンたちに何も大きな問題が発生せずにツアーを終えてくれたことで、終始不安を感じていた自分のような一般のファンにとっては楽しい思い出のまま日本に帰国することができました。バンドの追っかけをやっていた身近な人間を見て「あそこまで熱狂はしたくねえなあ」とか思っていた自分が自らの意思で国外のツアーにまでいけるぐらい、人間椅子が好きだったんだなあと今となって実感しています。





自分がライブ後にツイッターに書いたセトリを3公演分まとめてくれた方がいましたので勝手に↑拝借します。
今回30周年ベスト盤に入ってる曲でやらなかったのは、芋虫、陰獣、異端者の悲しみ、愛のニルヴァーナ、悪夢の序章、どっとはらい、ぐらいだったと思うが、演奏の難易度やライヴ受けなどを考えるとしょうがないかもしれない。けどやはり人間椅子の始まりであり代表曲である陰獣は個人的にやって欲しかった!

しかし3公演とも隙のないセトリで、無情のスキャット、命売りますといったyoutubeで数多く視聴された楽曲を中間部においてシンガロングさせ、そのままの勢いでライブを引っ張っていくハードロックライブの王道をいくつくりになっていたのは見事だったと思う。

そして、はじめての海外公演ということで慣れてない部分が多かったにも関わらず、どの会場でも日本では経験したことのない音の良さというか強さ、重さを感じられた。これはアンプの違いなのかなんなのかわからないが、次日本で観るライヴと聞き比べしてみたい(国内でのライヴが物足りなく聞こえないことを願う)。

今回、自分はライヴ中に普段よりも注意して観客を観察していたが、それは初の海外公演で自分の好きな人間椅子というバンドがどういう受け取られ方をされるのか、非常に興味があったからである。そのなかで一番印象に残ったのがやはり2日目のボーフム公演で、ちらほら自分を含む日本人はいれど、ベルリン、ロンドン公演のような大勢はいなかったはず。観客を観ると、勿論前方は聞き込んでそうなファンだったが、後ろのほうではボーと立っていたり階段席に座って遠目から見ている観客もいた。これだけ聞くとボーフムはだめだったのかと思うが、一番盛り上がってモッシュができていたりしたのもボーフムだったりする。観客の熱量で言えばボーフムが最高だったかもしれない。




コロナ禍の影響で人間椅子はその後の国内ツアーやアメリカで行われる予定だったSXSWフェスが軒並み中止になり、2020年中盤からの活動に出鼻を挫かれることとなった。これは勿論他のアーティストにとっても例外ではないが、そのなかで人間椅子が海外に渡って初めての海外公演を成功させた事実は明るい、未来のある話としてファンを含むバンド内外に伝わったと思う。

個人的にも、コロナ禍のなかでのライヴイベント、来日公演の中止、そして普段の生活のなかでの様々な災厄がふりかかり、二度とこんな年は送りたくないと思った2020年ではあったが、この人間椅子のヨーロッパに参加していてほんとに良かった。どんなに辛いときがあってもこのライヴを観ていたおかげで、3人の勇姿や頑張り、ライヴでの楽しかった記憶が自分を励ましてくれた。

人間椅子の今後のより一層の成功を願う。