2020年12月16日水曜日

人間椅子の初海外公演ヨーロッパツアーに行ってきた② 2020/02/19 (出発~初日ベルリン公演)

前回はこちら→旅行前



 


人間椅子観に行くどころか予定していた会社の出張が軒並み中止になってしまったコロナ禍直撃の2020年初頭、ドイツかどっかでアジア人襲撃とかいう世紀末なニュースもありさすがにやばいかなと思ってましたが2月18日旅行出発当日を迎えました。不安たっぷり、かと思いきやそのとき自分が何を考えてたか思い出せない。

まずは久し振りの成田空港へ。朝は蕎麦。




飛行機の中はマスクしてるとかなり暑苦しい。約14時間かけてイギリスのヒースロー空港へ。機内から降りる前の「体調不良の方は入国できません」みたいな日本語アナウンスに軽く恐怖。コロナいい加減にせえよ。
トランジットが心配だったけど意外と迷わずにいけた。しかしめちゃくちゃ並んだのと、赤外線でバッグの中の孫の手が凶器かなんかと間違えられた為に予想以上に疲れた、、、





そしてまた2時間かけてドイツのテーゲル空港へ。かなり後方の席を選ぶ。
離陸前に席に座って前方の客が入場するの眺める。「乗り換えの便ってこれしかないけど人間椅子一行はこの前後の便かな」と考えてたら前から坊主頭のデカイ人が、、、鈴木さんだ!でけえしすげえ目立ってる!普段着で周りは外人さんばっかりだったが、遠くからでもわかる空気を放っていた。

乗ってるとき後ろのおっさんが自分の被っていたMeshuggahニット帽を指差しbleedのリフを歌い出して連れの人に注意されていたw これが自分の着ている人間椅子のねぷた美人絵パーカー(旅行前にぎりぎり届いた!)に気付いて「シャバダバディア~」とか歌い出してくれるぐらいにヨーロッパで有名になってほしいと勝手に祈願。
飛行機から降りバスのチケットを発券していると、中国人?の姉さんが経路を訪ねてきたからたぶんこのバスじゃね?って言って途中まで一緒に乗りました。新手の客引きかと思ったけど顔てんぱってたなあ。バス停の前には巨大な外人が座ってわけわからんことわめいていて不快だった。


初ドイツは夜中

faith no moreも早くまた来日せえよ



何もホテル周りを調べていなかったため、夜はワサビ味のカキピーを食べて就寝しました。明日からが本番だ!寝よ。







2月19日、ゆっくり起床、ライヴ前は(無計画に)少しでもドイツを楽しもうとまずは朝食のパンを食べながら洗礼とばかりにベルリン中央駅でしばし迷う。ガラス張りで上から下まで吹き抜けになっているため新宿渋谷駅なんかよりはわかりやすいかも。




まずは適当に地下鉄を乗り継いでベルリンの壁関連のところへ、Kochstraße(Checkpoint Charlie)。少し雨降っていてくそ寒いかと厚着にしてきたがそんなでもない。しかし寒々とした中でみかけたHolocaust museumの看板は少し怖い。







一応近代の戦争遺構として残してあるはずなんだと思うが、観光地として戦争にまつわるグッズも積極的にショップで売っていたのが印象的だった。日本だとなかなかできなそう。
さっと見てまた電車に乗り、次は壁アートで有名なBerlin Ostbahnhof(ベルリン東駅)へ。





ちょい怖い((( ;゚Д゚)))


基本歩いて眺めることしかないが面白い。













ダリっぽい

一番有名な絵、団体客が集合写真撮ってた


若者がサイン書いてとか寄ってきたのを追っ払うがしつこいんだよ(怒)。サイン書かせた後に寄付迫るのは渋谷駅でもやられかけたけど、やっぱり自分はカモとしてたかられやすいんだなと悲しい納得。



オーバーバウム橋はヨーロッパ感だくだく。ここを右に行くと今夜の会場がある地域に。



Warschauer Straße駅から次はBahnhof Berlin Zoologischer Garten駅、少し歩いてベルリン動物園へ。








平日で雨が降ったり止んだりのどんよりした天候のため、場内はかなりガラガラで寒々しい。雰囲気は日本のものと変わらないが、展示解説の説教されてる感じはドイツらしい(適当)。パンダ園、猿園だけは雨凌げるからか人がたまってた。






少年の亀比べにもやる気が感じられない




気を取り直して、園内にある水族館へ。本場のアクアリウムとばかりにかなり楽しみにしてた。入り口のドラゴン像には燃える。




ネオケラくん









場内はわりと混んでいるが、日本人や国外から来たような感じの人はいない?観光本にも書いてあったけど、わざわざ外国まで来て動物園水族館来る人間よりかは国内からの観光客がメインなとこはあんのかな。










特筆してこれぞヨーロッパっていう生態展示には気付けなかったけど、これは世界の様々な地域の水生生物を集めて並べて展示する努力をしている日本の水族館を見慣れていたからかもしれない。しかし、上↑にあるような水槽上の魚をモチーフにしたステンドグラスや、階段の壁にあった下↓のようにデザインされている銅板?などは、日本に無いお洒落さと歴史を感じさせるもので、古くさいものもあるのに何故か新鮮だった。特にチョウザメ、ハイギョ、トビウオなんかのステンドグラスは普通にかわいいしグッズ欲しかった。






2階に上がると爬虫類、両生類展示が。




動物園を出てからは駅まで遠回りしつつ散歩、カイザー・ヴィルヘルム教会へ。







2016年12月19日にあったイスラム過激派によるテロの被害者の慰霊のため、碑などはないがそれぞれが思い思いに花や写真を置いていた。チュニジア人の犯人のトラックがクリスマスで賑わうマーケットに突っ込み11人が亡くなり50人以上が死傷した大惨事の反省からか、教会周りには↓のような車止めが大量に設置されていた。合掌。





少し遅い昼飯を駅前の屋台で。前に並んでた婆ちゃんと同じやつって頼んだのにめちゃくちゃ多いし味も油も濃い感じ。さらに立ち止まって食べてると物乞いが寄ってくるのには参った。なんで俺のとこばっかくんのけ( ;∀;)
一度ホテルに戻り着替えて準備をして、いざ夜のベルリンへ!





昼にもきたオーバーバウム橋の橋桁下の道。川岸の薄暗さとなかなかに広く場所を占拠していたホームレス達の光景には、一昔前のお茶の水聖橋から坂を下りて秋葉原に向かう道の危なっかしさを思い出した。


ちょいパワーバイオレンスのジャケット風



7時オープンの2時間前にLido Clubへ到着!早すぎた雨やだ寒い死ぬ、と思いながら近付くと会場のうっすら開いたドアの内側から「宇宙からの音」の出だしのリフが!リハの音出しなんて日本でも聞いたことなかったから俄然興奮が高まる。てかこのために来たんだった!


しかし2時間前に来たのはアホだった。酒飲めないから近くのパブかなんかにも入れんし、雨も昼間より強く冷たい。ツイッターとか眺めながら、頭降りながら近づいてくる兄ちゃんに絡まれたりしてました。後からわかったけど、あんましこの辺りは治安よろしくないんすね。




会場ドアのポスターが日本語なのが勿体ない




↑開場40分前でちらほらジモティー?が少し並ぶだけだったのが、開演前には↓こんだけ並んでた。人の動きが妙に楽しい。そこそこ雨降ってんのに誰も傘差さないのはライブ前ではどこでも一緒かな。最初は自分くらいしかいなかったぽいが日本人の姿も徐々に増えてきた。名の知れた外国の中堅バンドでも、オープンから開演まで長いと入場前は寂しい客入りだったりするからなんか嬉しい。





↑物販の様子↓




Lido Club内は会場時はやっぱりまだがらがら。両端に雛壇みたいなのがあり座れる。かなり余裕を持って観れそうで、日本のduo MUSIC EXCHANGEを思い出すつくりだった。開場後にはUFOなどのハードロックが流れていたような。





開場後は徐々にだが人が集まってきた。見たところ、日本人もかなりの率でいて、最前列も日本でやるときみたいに日本人の女性が多かった気がした。開演前まで外国のファンを観察するの以外は暇だから、少し前に話題になってたつけびのむらをネットで読んでドゥームな気分に。


8:00、さあ始まるぞ❗

Lido Club berlin 2020.02.19
宇宙からの色
りんごの泪
羅生門
品川心中
無情のスキャット
なまはげ
命売ります
洗礼
芳一受難
深淵
地獄小僧
地獄
雪女
針の山




「宇宙からの色」の出だし、そしてドラムを聞いて、今まで観た人間椅子のライヴで一番音が良いことに気付きテンションが上がる!これが本場の音か!とか思ったけど外国に来た高揚感のせいもあるのかも。特にバスドラは腹にくる感じで、逆にスネアが若干つぶれて聞こえるような、、、またギターもたまにチューニングずれたかなんかで少しフリーキーな音になってたように聞こえた。
全体的な音のバランスは弱かったかもしれないけど、なんかボトムの強い音響というか、人間椅子では自分が観たなかで一番迫ってくる音だった。忘れたくない音像だし、またどこかで体験してみたい。




セットリストに関しては、ベスト盤や新青年からかいつまんで演っていた。気になったのが、中盤の品川→無情→命売りますの和嶋さんボーカル3連続。普段なら和嶋さん、鈴木さん交互に歌って、互いの声を休ませるような曲順になっていた気がするが、今回はヨーロッパでやるということでそのあたりを変えたのだろうか。二人が交互に歌うのが続くと、初見の人が多い会場ではボーカルの色がぼやけて見えてしまうなんてことも考えていたのかも。




「りんごの泪」みたいな3人のシンプルなハードロックでは、前述の音の良さがかなり鮮烈に感じられた。また(リハーサルは無視して)和嶋さんのじょんがら三味線ギターソロが外国で初めて鳴らされた!これは貴重な瞬間だ!とか一人勝手に興奮。




そして次の「羅生門」!ベルリンにいるのに出音でいきなり雅で物悲しい雰囲気に。こんな早い段階でこんなコアで抹香臭い曲やんのかよ!今回の曲の中でも特にドゥームと日本に振り切った曲はドイツ人にはどう聞こえただろう。普段ライヴで聞くよりだいぶ和のテイストが強く感じられたのは国外で演ってるからか。地味ながら人間椅子を紹介するには最もふさわしい曲だと感じ、今回の公演では一番印象に残った。


「品川心中」では、中盤の落語部分を翻訳して紙に書いたものを見せて読み上げるという日本では(他のバンドでも)見られないパフォーマンスが。この試みはベルリン、及びロンドン公演で行われていた。和嶋さんが落語してる間に、スタッフさんが持った紙に書いてある翻訳された文章を鈴木さんが指差しするという共同作業中にも、ドイツ人の観客がところどころで叫んだりして盛り上げてくれたのは良かった。こういうのやるとやっぱりライヴでの流れが途絶されちゃうからね。変なところで賑やかしが入ってたりしてたから本当に内容が伝わってたかは微妙かもだけど(笑 酒喰らって~の部分で少しざわついた笑いがあったからそこらへんの飲んべえ描写は万国共通で伝わったのかな。
 







ここまではそこそこの盛り上がりではあるがまだ様子見って感じの観客が多かった気がするが、続く「無情のスキャット」、及び「命売ります」で明らかにオーディエンスの熱量が上がった!アルバムからではなくyoutubeでそれぞれのMVを観て来たジモティーもいるだろうし、まあみんな待望だったんだろう。「シャバダバディア!」の合掌には聞いててこっちが嬉しくなった。ただ和嶋さんの声がだんだん辛そうになっていったのには心の中で頑張れ!と応援するしかなかった。無茶しやがって、、、







写真を観ればわかるが、今回の3公演では自分はライヴ中にいろいろ動き回って様々な場所からバンド演奏と観客を観ていた。いま日本でやるライヴじゃ人混みの密度が年々高まっているからそんなことはできない。ライヴを純粋に楽しむこととは違うかもしれないが、違う角度や遠さで演奏が観れたし、何より観客の反応が様々だったのを観察できたのが新鮮な経験だった。






アニキコーナーもここ最近だとこの会場で一番うるさいんじゃないかってぐらいの大声wコールミーアニキー!イエーオーディエンスエビワン!
地獄小僧の「これでもかー!」の掛け声も決まっていた。

タイムライン




そして針の山を演奏して一度引っ込んだ後にはニンゲンイスッ!コールをしつつ足で会場をドンドン叩きながらのアンコール!これは初めての経験だったし、会場の一体感が半端なかった。音響良い会場だから足ドンも響くね!




終演後三人が挨拶するのを見ていると、外国での初めてのライヴということで普段のライヴ後より(特に鈴木さん)疲れているのがわかったが、やりきった感が出ててお疲れ様を言いたくなった(まだ2公演残ってるけど)。







全体を観ていた感じだと、真ん前は日本人とジモティーファン、後ろはマイペース組で、日本でよくみる中堅バンドの来日公演みたいだった。しかし初めての外国で演ったライヴでここまで盛り上がったんだから純粋に凄い。音もバンドや観客の雰囲気も今まで観たことないぐらい良い雰囲気で新鮮だったし、音に関しては今回のツアーで一番クリアで耳に残った。 本当に遠くまで来て良かった!
次にベルリン来たときにはもっともっと観客が増えているように願う!てか増えてるよ絶対!




明日はベルリンからだいぶ離れた地方都市ボーフムでの公演。初日がこんだけ良かったからこのテンションを保てるかが少し心配な部分もあった、移動疲れもあるだろうし。




終わったのが9時50分くらい、アンコールは1回だけの2時間弱の契約かな。ここらへんライヴの興奮でよく覚えてないが、駅までの間にあるモールでなんか食べようかと思ったけど、客は入ってるがclosedになってるところが多く諦めてそのままホテルに直帰。何食べたっけ、、、
こんな感じで今回は食に対して何故か消極的でほとんど記憶が無い。事前の準備って大事ですねほんと。

明日はドイツを電車で横断して2日目の公演が行われるボーフムへ!


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