2020年12月16日水曜日

人間椅子の初海外公演ヨーロッパツアーに行ってきた③ 2020/02/20 (2日目ボーフム公演)

 1日目はこちら→ベルリン公演




電車移動のため余裕持って早めに6時頃起床、ベルリン中央駅で朝御飯にフィッシュアンドチップスらしきものを買う。ドイツ要素ある食いもん、今までなし。


乗る電車間違えんの怖いから1時間前には駅のホームで待機、ツイッターを人間椅子で検索して眺める。時差あるけど、日本にいる人達がけっこうツイートしてたから、やはり今回の人間椅子の海外での受け止められ方は注目度が高かったようだ。


やっぱり和嶋さん中盤の3曲連続で歌辛そうだったから無理しないでほしいけど、セトリはほとんど変えなそうだから厳しいかな。
3連チャン公演観るとなるとさすがに似通いすぎたセトリだと嫌だから、ここいらでドゥームに振り切って「どっとはらい」とか「芋虫」やってくんないかな。
昨日のLido Clubだと「命売ります」とかで地元の若者?が軽いモッシュしてたけど、わりかし大人しかった。これからのボーフムやロンドンでは、あの伝説のozzfest japan 2013で起こったらしい「針の山」でのサークルピット見たいなあ。
なんてなんやかんや考えてたら電車が来た。


タコかわいいデザイン


風車はヨーロッパぽい


ベルリン8:50発→ボーフム15:30着予定の若干の長旅。本当は余裕を見て空路も提案されたが、「世界の車窓から」とかのヨーロッパの風景を見てみたいとごく簡単に考えて電車を選んだ。


乗ってる途中で思ったが、ドイツの真ん中突っ切ってオランダに近いボーフムに行く道のりは、個人的になんかヨーロッパぽくないかも、、、?なんだか日本で関東→関西に行くときとそんな変わらない印象を受けた。






そして10:30にハノーファーを通りすぎ、あれなんか12:30前にボーフム着いちまったけど、、、どうやら旅行会社の手違いだったみたい。まあこれでかなり余裕できたからボーフムの街を少しは周れるかも。


ボーフム駅

地方都市の駅前といった感じ

ガード下には変な蛍光文字が



ホテルで荷物を置いて、下調べ無しに散策をしてみる。公演時間ギリギリだと思ってたから、余裕が出来て良かった。


ドイツはパン屋がめちゃくちゃ多かった






街にはけっこう人が出歩いていて、この頃はまだコロナ禍を感じさせなかった。坂沿いに下っていくとイスラム料理や雑貨の店が集まっている場所も増えてきた↓。このおしゃれな街合いに外国人街が共存する感じ、日本だと横浜みたいな雰囲気があった。









少し遅い昼飯をハンバーガー屋で食べる。内装が森みたいで面白い。
今日の会場のZeche、ホテルから近いバス停から乗ることになるけど、帰りのバスあんのかな、、、なんて少し心配になる。この時点で時間はけっこう余っていたから、余裕持って早めに行こう。
 

豆もやし入ってるコールスローが旨かった





ホテル近くからバスに乗り、住宅地を通って20分ぐらいかけて今夜の会場であるZeche Bochumに到着。工場を改築したかのような外観で(Zeche=炭鉱の意味らしい)、周り何もない都市部から外れた郊外にあるためか駐車場もだだっ広い。





会場1時間前には少し人がたむろしていた


奥入るとでかい駐車場、車での来場も多かった

雨のなか会場30分前にはけっこうな列が!


寒いなか会場を待ち望んでいると、自分の前に並んでいる地元のおっさん達の輪に、イギリスから来たという1人のファンが割って入っていった。人間椅子の文学性や日本の帝国主義?との関連性について話しているようだが、ジモティーのおっさん達は苦笑いしながら若干引いてるw 日本について学んでいる音楽ファンにとっては、日本文化のピンからキリまで歌詞や音楽で表現している人間椅子というバンドは、特に目立つ存在ではないだろうか。なにはともあれ、こういうコアなファンはこのバンドには必要だし、そういうファンが海外にいるのはなんか心強い。



ベルリンのときよりキャパは狭いかも




掃除しやすそうな男子便所




階段席もある



2階席もある会場内は昨日のLido Clubより少し複雑なつくりになっていて、体感だと昨日のベルリンより入ってるかも?
日本人がけっこう占めていたベルリンのときの最前列を観ていて思った「ここってどこの渋谷O-Westだよ」って突っ込みは今日の会場では当てはまらず、今日は地元勢が多く日本人がかなり少なめに感じた。


隙間はあるけどそこそこの入り

頻度多く音飛びするなかサバスが流れる(Killing yourself to liveとか流れていた)会場で、ある2人の観客の話に耳を傾けていた。ドゥームに関連してElectric WizardやChurch Of Miseryも好きだから今日も楽しみ、みたいな話を聞いていると、やはり日本とこちらで人間椅子に対する捉え方も文脈も違うんだなと感じる。自分も国内勢のこっち系のバンドを集めて人間椅子をトリにしたドゥームフェスやんねえかな俺得だろうがなんて妄想していたが、よく考えてみるとそういった日本や海外のバンド達と人間椅子が共演してる絵面が想像できない。ヘドバンで誰かが書いていた人間椅子のそういった他バンドの間にある距離や異質さに、ここに来て世界でブレイクできた基礎があるんじゃないかと勝手に思った。てかそんなことを考えて暇を潰していた。


20:00きっかしに開始!今日は最初は和嶋さん側から観よう


人間椅子@ Zeche Bochum, 2020.02.20

宇宙からの色
りんごの泪
鉄格子黙示録
賽の河原 
無情のスキャット
命売ります
死神の饗宴
どだればち
相克の家
地獄小僧
膿物語
人面瘡
針の山
なまはげ
ダイナマイト





大筋は変えずに、「鉄格子黙示録」や「どだればち」などを入れた少しマニアックでせめた選曲だったのは良かった。音はやはりベルリンが良すぎたか、特に今回は声がすこしつぶれて聞こえたかも。曲間での人間椅子コールなどはなく(後で別のコールはあったが)、終始観客がバンドのMCや曲を待つ状態で、ベルリンよりかは観客はおとなしめだったかもしれない。しかしこれこそが本来の海外ツアーの空気感でもあるのかなとも感じた。そんななかでのアニキの元気さはもはや異様でw 初っぱなのメンバー紹介からのイェーイ連発にみんな「なんだあいつw」って反応しながら笑っていたのが忘れられない。会場半分受け半分シラケみたいな感じだったかもしれないが、すんごい存在が大きく見えた。イャェーイ






鉄格子黙示録の前には曲紹介のMCをしていた。英語でもスキツォイドマンとかアポカリプスとか言われると若干気恥ずかしいのは何故だろう。
今回は3人とも積極的にMCをしていて、自分達が日本の東北地方の青森県出身であることを説明していた。その説明の最中に「津軽!」とか叫んでいたアホはたぶん自分です。途中からしどろもどろになって結局日本語で話してたのは面白かった。




今まではおとなしめだった観客の「無情のスキャット」前のわめきたち方はBochumが一番熱狂的だったかもしれない。真ん中当たりにすんごいノリノリで「イノチウリマス」もはっきり口に出していた熱いファンがちらほらいたのも観ていて楽しかった。





 

中盤から熱を増してきたなかで疾走した「命売ります」の次に放った「死神の饗宴」は日本で観るより数十倍重苦しく聞こえた。ドヘビーなリフに圧倒されかけたか、観客が若干の落ち着きを見せて少しノリ悪くなったと見るや、最前にきてドゥームリフを引きながら跳び跳ねて無理くり煽って手をあげさせる和嶋さんを見習いたい。こんなギタリスト、他にいないよ。




そしてここにきて人間椅子の出自を強く主張する名曲「どたればち」が!個人的には今夜はここで一番盛り上がってしまった。後追いで「踊る一寸法師」を聞いていた当時、この曲が外国で、しかもドイツの地方都市で演奏されるなんて想像できなかった。津軽弁や三味線ギターがハードロックと絡まった結果の、人間椅子独自のフォークメタルとも言える音楽には、今一度その個性を強く感じていた。こんなこと書いてるが、たぶんこのとき頭馬鹿になって「アラドシター」の合いの手を無心に入れてた気がする。
最後のギターソロはアルバムより長めにやっていて(3分くらい)、途中で歯ギターまで披露するサービスも!曲の後に隣の観客が「イマノキョクナンテウタデスカ⁉️」なんて日本語でいきなり聞いてきてびびったが、もし自分でも聞いてしまうかも。ライヴで初めてこの曲を聞けた人が羨ましい。

そしてちょうどこの曲がやってる辺りで、いま会場にきたとおぼしき長髪メタラーの兄ちゃんが自分の右斜め前に来て頭を振り始めたのが凄い記憶に残っている。仕事終わり?かどうかはわからないが、ああ良いライヴってこれだななんて感じた。






終盤になって鈴木さんが端に引っ込んだりして少し疲れたのかと心配したが、遂に今日も「針の山」まで来た!と思いきや、小さいながらもモッシュが発生!これには感激!曲中盤のジャンプのタイミングでぴょんぴょんはねる和嶋さんに応えて、前列の人達が合いの手を入れながらジャンプをしている場面も観ることができた。 






ベルリンでのアンコールは足でドンドン踏み鳴らしながらの人間椅子!コールだったが、ボーフムではウンダバー!ウンダバー!っていうまたなんか日本と親和性高そうな言葉を連呼するアンコールだった。もちろん、こんなんするのも見るのも初めてで楽しい。どうやらウンダバー!とはWunderbar!(素晴らしい!)っていうドイツ語のようだが、MCで鈴木さん和嶋さんが「日本語にもウンダバーって掛け声あるよね、ウンッ、ダァバァ、ウンダバッ」なんてマイペースに話してて和んだ。




アンコールでの「なまはげ」はまさにウンダバーコールで熱を上げた観客のお祭り騒ぎで、真ん中で肩を組ながら踊っている人達もいた。そしてなんと、今夜はダブルアンコールで最後に「ダイナマイト」!鈴木さんは演奏も歌も稀に見るヘロヘロさだったが、それはそれでライヴだから良し。演奏する前の観客の盛り上がりに、疲れながらもすんごい満足げに嬉しそうな顔をしてステージに入ってきたのが印象に残ってる。






終演後には観客達と一緒に記念撮影をしていたが、2日目で疲れているだろうけど3人とも良い笑顔してるね!
観ていて感じた中盤からじわじわ上がっていった熱狂には、3人とも手応えみたいなのを感じてたのではないだろうか。





今夜も終わりは22時前くらい。帰る頃にはけっこう雨が降っていて、せまいバス停のなかで無言のメタラー同士がひしめきあう地獄を体験できた。帰りのバスが心配だったが、同じ方向の人が多く少し安心。


今回で一番寒かった




ホテル前の店がギリギリ開いていたため駆け込む。なんかドイツきてパンと肉しか食ってない気がするが気にせずかっ食らった。

ドイツはこれで終わりだが、今日が一番海外公演といった空気が強くて、良くも悪くも観客の反応が新鮮だった。自分の好きなバンドが海外の観客の前でライヴする瞬間を観ること、これもまた貴重な経験だと思う。改めて人間椅子に感謝したい。

さあ早く寝てまた早朝からの移動に備えよう。次は最終日、ロンドン公演だ!




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